機械割と回収率の違い - 理論値と自分の実績を混同しない
「この設定は機械割105%だから、打てば5%プラスになる」。そう考えてしまうと、自分の成績を見誤ります。機械割と回収率は、似た形のパーセンテージですが、測っているものがまったく違います。
機械割はメダルの出入りの「理論値」
機械割は、パチスロで投入したメダルに対して、払い出されるメダルの割合を表す値です。 機種と設定ごとに決まっていて、たとえば「機械割105%」は、長く打ち続けたときに、入れた100枚あたり平均105枚が出てくる、という意味です。
ここで大事なのは、これが非常に長い期間打ち続けたときの平均だということです。 1日や1週間の結果が機械割どおりになる保証はまったくありません。
回収率は財布の出入りの「実績」
回収率は、実際に使ったお金に対して、実際に戻ってきたお金の割合です。 1万円使って8千円戻れば80%、1万2千円戻れば120%。すでに起きた結果を、円で測った数字です。
| 機械割 | 回収率 | |
|---|---|---|
| 単位 | メダルの枚数 | お金(円) |
| 性質 | 理論値(長期の平均) | 実績(起きた結果) |
| 決まるもの | 機種と設定 | 自分の打ち方、店、運のすべて |
| 換金率の影響 | 含まない | 含む |
機械割どおりに回収率がならない理由
1. 打つ量が足りない
機械割は長期の平均なので、短期の結果は大きくぶれます。高い設定の台を1日打って大きく負けることも、低い設定で大勝ちすることも普通に起きます。 数日分の回収率が機械割と違っていても、それは何もおかしくありません。
2. 換金率で目減りする
機械割はメダルの枚数の話で、お金に換えるときの損失を含みません。 貸出と換金のレートが違う「非等価」の店では、同じ枚数を出しても手元に残るお金は減ります。 詳しくは等価と非等価で収支はどれだけ変わるかで計算しています。
3. 自分が打った設定は分からない
機械割の数字は設定ごとに公表されていても、実際に座った台の設定は打ち手には分かりません。 「高設定だと思って打った」ことと「高設定だった」ことは別です。推測が外れていれば、期待していた機械割は最初から存在しません。
4. ヤメ時や台移動
機械割は、その台を同じ条件で打ち続けた場合の値です。途中でやめる、台を移る、といった実際の行動は反映されていません。
機械割を枚数に置き換えてみる
パーセンテージのままだと実感がわかないので、枚数に直してみます。多くの機種は1ゲームに3枚を投入するので、 1,000ゲーム回すと投入枚数は3,000枚です。
| 機械割 | 投入 | 払い出し | 差枚 | 等価なら |
|---|---|---|---|---|
| 105% | 3,000枚 | 3,150枚 | +150枚 | +3,000円 |
| 97% | 3,000枚 | 2,910枚 | −90枚 | −1,800円 |
1,000ゲーム回しても、理論上の差は150枚と90枚しかありません。ところが実際の1日の結果は、当たりを引いたか引かなかったかで 数百枚から数千枚単位で動きます。1日の結果に対して、機械割の差は小さすぎて埋もれるということです。
これが「高い設定を打ったのに負けた」が普通に起きる理由であり、同時に「低い設定でも勝つ日がある」理由でもあります。 機械割は、何万ゲームも回したときにようやく表に出てくる差です。
※ 1ゲームあたりの投入枚数は機種や打ち方によって変わります。ここでは3枚として計算しました。 差枚を円に直すときの単価は換金率によって変わります(等価と非等価で収支はどれだけ変わるか)。
自分の回収率は記録からしか出せない
機械割は台の性能として公表されますが、回収率は自分の記録がなければ計算できません。計算式そのものは単純です。
回収率 = 期間内の総回収額 ÷ 期間内の総投資額 × 100
たとえば1か月で合計145,000円を使い、合計120,000円が戻ったなら、回収率は約82.8%です。 この数字には、設定推測が外れた日も、粘りすぎた日も、非等価の店で目減りした分も、すべて含まれています。 だからこそ、理論値より自分の実態を表します。
期間は1か月単位で見るのが扱いやすいですが、月ごとの上下は大きいので、3か月・半年と長くまとめたほうが傾向は読み取れます。
自分の成績を見るときは回収率だけを見る
振り返りで機械割を持ち出すと、「本当は勝てているはずだった」という言い訳が生まれます。 ですが財布の中身を決めたのは、理論値ではなく実際に起きた結果です。自分の成績を判断するときは、 記録から計算した回収率だけを見てください。
回収率の読み方や、勝率との違いは勝率は高いのに負けている人の収支の形、 言葉の意味は用語集にまとめています。